氷河

2009年6月22日 (月)

86. ジェアン氷河空中散歩(下)

2 ジェアン氷河を3連のゴンドラに乗り空中散歩中、ガタンと音がして停まります。撮影のサービスタイムですが、判っていても突然のことで一瞬ドキリとします。それが大クレバスの真上とあればネ。

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落ち着いて見渡せばモンブランは彼方にデンと座っています。

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動き出して南に眼を転じると、メール・ド・グラス氷河が眼に入り始め、ミディ針峰から来るゴンドラとすれ違いが始まりました。(写真では赤色のゴンドラですが、いまは
青色のものに取り替えています。)

Geant_glacier08 いま、ジェアン氷河の真上です。後ろを振り返るとダン・デュ・ジェアン、グランドジョラスからの連山が続き、ヴェルト針峰群の北側のタレフレ氷河も全貌が伺え息を呑む光景です。

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メール・ド・グラス氷河が見えなくなると、ヴァレーブランシュ(白い谷)になります。
氷河の裂け目が荒れ狂い、氷柱(セラック)が目立ちます。傾斜がきついため氷河が滑り落ちるとき
出来やすいと言われています。

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Geant_glacier02 ミディ針峰に近づくと雪原にはクライマーの野営テントが目立ち始めました。

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ミディ針峰が見えてきました。スリルに富んだ空中散歩はもう直ぐ終りです。

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2009年6月21日 (日)

85. ジェアン氷河空中散歩(上)

96年7月始め、シャモニーに着いて3日目、前日まで雨に祟られ泣きべそ。
4日目の朝ホテルの隣の部屋から電話で「モンブランがくっきりじゃぁ」と起こされました。

Morgen2 早速テラスへ三脚を立て朝焼け撮影のスタンバイ。モンブランのモルゲンロート(朝焼け)をキャッチ
しました。モルゲンロートがくっきりの今日一日は晴天確実です。

Gean_map

シャモニーへ来る人の大半が指を咥えて、ああ乗りたいと言って帰るのが、ジェアン氷河のロープ
ウエイの旅です。滅多に乗れません。
【パックの人は不可能と言われますが、大阪でプロ野球の球団をやっている旅行会社がこのコースを
採用して人気を呼んでいます。】

その理由は時間不足です。ミディがら出ると45分かかって終点エルブローネに着き、
折り返しに45分。乗り場の待ち時間が1時間ずつとして3.5時間。
ミディへ登るのには朝早く出るのに予約を入れてギリギリです。
よって、正攻法では無理が多く裏をかくゲリラ戦法にでます。
逆コースを採るためモンブラントンネルを抜け、イタリアへ行きます。
モンブランの真下に1.6kmのトンネルがあります。ロープウエイ乗り場までは18km見れば上々。タクシーで20分そこそこの距離になります。

Map ロープウエイ乗り場は、クールメイユール町のアントレーヴちゅう所の「ラ・パル」(La Palud)です。日本のガイドブックは全部「クールメイユール」ですけど正確には「ラ・パル」。
さて、乗り場に着いたものの、前日来の悪天候でケーブルに雪が積もり凍っており除去と点検に時間がかかりました。

Monblanc_from_palud
乗り場の裏手周辺をうろついていると、ロープウエイの左手にモンブラン、右手にグランドジョラスが眺められ拍子抜けをしました。

Grandes_jorasses_frompaludl

ラ・パルからミディまでの通し切符はありません。別々です。

エルブローネまではロープウエイを乗り継いで上ります。定員に満たない客でしたからスイスイと。
エルブローネに着いたらガラガラで、ミディ針峰行きのロープウエイが走っています。
4人乗りのゴンドラが3つ、間を置いて連結され1単位になっています。それが略1分間隔で走っています。

エルブローネからミディ針峰へ到るまで湾状の大氷河が広がり、湾の縁、北には岩山が並び、
南には氷河が流れ出る口が開いています。標高は凡そ3400m。

Dent_du_deant1 出発して間もなくダン・デュ・ジェアン(4013m)の天を突く悪魔のような尖った針峰が現れます。

Geant_glacier01 そして北側に眼を向けると氷河の縁を行くクライマー達がケシ粒のように見えます。

Photo_2 トウル針峰(3534m)の麓を行くクライマーも・・・

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突然、ガタンと音がしてロープウエイが止まりました。故障!? ドキリとします。
撮影タイムのサービスです。しかし下を覗くと大クレバスにゾーとします。

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2009年5月26日 (火)

71. モルテラッチ氷河

Map_m モルテラッチ氷河はP・ベルニナ(ピッツ・ベルニナ)から流れ出し途中ディアヴォレッツアからのペルス氷河を合わせモルテラッチ谷へ流れます。
サンモリッツからベルニナ線の普通電車に乗り25分、モルテラッチ駅で降りると、そばにはレストランがあり賑わっています。

Capt0000
スイスの氷河を手軽に見学でき、氷河末端の後退という、地球温暖化の影響をまざまざと知らされます。現地ではいま流行のエコツアーのはしりを早くから実行しています。

氷河への道は車は乗入れ禁止です。駅から真っ直ぐ道が伸びており、川沿いに辿れば迷うことはありません。天気の良い午前中の景色が優れています。

95年パック旅行で来た時はディアヴォレッツアからここまで歩き、休憩のため川原で昼食を摂る為でした。
快晴で右手にP・ベルニナ、左手にベラヴィスタ、その真ん中を氷河が流れおいでおいでと誘っているようで有志が見に行こうと出かけました。だらだら上りで、向かい風、なかなか歩が進みません。中途で引き返す者も出ましたが頑張って後一息と言うところで添乗員が追いつき「危ないから引き返しなさい」
振り返りながら泣く泣く帰ったのを思い出します。

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あれから5年今度はリベンジ。

駅から数十メートルのところに案内板があり、ドイツ語で表記しています。イタリア語圏なのになぜかドイツ語です。読んでも判りません。

1878

約500m進むと林に入り1878年の末端を示す岩がありました。

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1900年末端位置を示す看板はも少し進んだ場所にあり、林を抜けると谷の展望が開けます。

すべて真白に見えるのは、ダラダラ登りの坂上に氷河中流を見てるからで、近づくと末端は鯨の背のように黒く見えてきます

ベルニナ連峰を見ながら歩く人も多く、要所要所に末端の位置をします看板が立っています。

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この写真の看板は30年前の1970年にここに末端があり、併せて1900年の末端位置から1318m後退したと記しています。現在は1900年の位置よりも2km以上後退していることを示し、地球温暖化の影響を知らされる生きた教材でもあります。

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現在の末端に来ると奇妙なハイキング道標が立っています。ここからハイキングが出来ます。モルテラッチはこっち、ボルダ小屋はこっちなど。この道標があるところはハイキング可能です。ここから奥は氷河でアルピニストの世界、命知らずの人はどうぞ、という意味です。

Gorogoro01

石がごろごろして歩きにくいです。

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触ると冷たいです。(岩でなく氷だもん)

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末端中央部、水がちょろちょろ。

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右岸寄り、クレバスが不気味。

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カーテン状に崩れたり、天井が崩れたり。

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氷の中の石は角が取れ丸く、表面の石は崖崩れのせいか角が立っています。

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融水はせせらぎとなり、小川に成長します。

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エコツアーの青少年たち、自然の力と環境変化を体験します。

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末端近くの岩場に咲き乱れる草花を見つけました。生命力に感動します。

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末端では氷の岩に触ったり、氷河の崩れ行く様子が詳しく判り親しめましたが、看板から知らされる氷河後退のデータを見ると、自然界から刃を突きつけられた気分になりました。

 

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2009年5月 6日 (水)

53. フェー氷河

Map16_2 ブリークを出たポストバスはフィスプから谷へ入ります。シュタルデン・サース村で谷は二つに分かれ、右はマッタータール、左はサースタール。ご存知のツェルマットはマッタータールの最奥です。

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Saas_taxi

サースフェーはマッタータールの最奥で、ツエルマットと同じく、自動車乗り入れ禁止です。村には電気自動車が走っています。
バス停留所一帯が駐車場で外来の車で一杯です。

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バスを降りるとネズミ返しの穀物小屋が出迎えてくれます。背後には4000mを越すミシャベル山群の主峰ドーム(4545m)が控えています。村を取り囲むように連峰が聳え、そこからの流れるフェー氷河が村の直ぐ傍まで迫っている「氷河の村」です。

Saas_church
メインストリートを抜け教会の先に氷河展望台行きのロープウエイ乗り場があります。

Saas_kippu

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途中シュピルボーデンで乗り換え、標高2870mのレングフルー展望台に着きます。
三方が氷河に囲まれた岩場で、河中の小島のようです。

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ここの氷河は尋常ではありあせん。氷河の流れる傾斜が急なため、階段状にずれ落ちる所がしばしばあり、そこのクレバスが融け上からの圧力で柱状に盛り上がる、所謂「セラック」があちこちに見られます。文字通り「荒れ狂った氷河」です。

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しかもそれらが展望台の直ぐ傍で見られ、身震いするほど圧倒されます。
ツェルマットのゴルナー展望台では、氷河の群れが、絵のように眺められ「美しい」と感じますが、
フェー氷河は「恐ろしい」と感じます。

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眼を東に転じると直ぐ下は村の家が並び、「氷河の村」を実感しました。

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最初訪れた96年7月、レングフルーには雪が積もっており、残雪で雪だるまを作った兄妹に出会いました。夏の残雪は湿っていて雪だるまを作り易く、器用に人形の形に組み上げていました。
周りから小石と扁平石を拾ってきて差し込み、眼や腕をつくり、帽子を飾った素朴な雪だるまです。
細長い石を拾って、パイプと見立て、咥えさせて、出来上がり・・・

日本式と違う姿に感嘆していると孫を連れてきた爺さんが、たどたどしい英語で「この子達があんたに聞いてくれとせがんでるでナ。あんた達日本人もこのような雪人形を作ったことがあるんか?」と。

『おお、作ったどぉ。沢山作ったどぉ』とこちらも怪しげな英語で答えると、爺さんも孫も笑顔で頷き、この芸術品を誉めると大喜びしていました。

私の故郷は温暖な瀬戸内沿岸ですが、春先には大雪が降り、雪だるまに興じた子供の頃を、遥かかなたの国で懐かしむとは意外なできごとでした。

 

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2009年5月 5日 (火)

52. アレッチ氷河

ベットマーアルプはアレッチ氷河を見ながらハイキングする基地の一つになっています。氷河左岸の崖につけた小道を辿って下ります。

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ガイド図もはっきりしなく、スイス通のネット仲間が、親切に届けてくださった絵図を頼りにしていました。ベットマーアルプから登るロープウエイ乗り場でたまたま詳しいハイキング地図を見つけ買いました。
7月16日朝、朝食のとき居合わせた日本人の客がその地図を見て、歩き方を教えてくれました。
斜面を下り、下りきって湖に出て、ぐるりと廻りローヌ谷右岸に出てキューボデンに出るルートでした。
私たちは池まで下り引き返す予定でしたが、急遽変更、アドバイス通りに大回りコースを選びました。

Guide

ロープウエイといっても2人乗のテレキャビンは10分程でベットマーホルン展望台へ着きます。
ここから落差800mの下り道です。目的地はメルイェレン湖。昨日登ったエッギスホルンの真下。
約2時間の道のりです。

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道幅はおよそ1m、小石の落石があちこちに転がっています。そろり、そろりと下ります。

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眼の下の氷河のクレバス(割れ目)がハッキリしてきました。撮影するときは足元を固めてからにします。

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アレッチホルンが見えてきました。ここら辺で氷河面まで200mくらい。クレバスも大きき見えるようになりました。割れ目には融水が流れています。

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突然放牧の山羊の群れが現れました。食べ物をねだって寄ってきます。「紙を隠せ!」と誰かが叫びました。暴れたら大変、逃げ場がない、思わず恐怖心が走りました。

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ぼつぼつ記念撮影、足元を確保して立ち止まりますが、崖沿いに身を寄せています。身を守る本能でしょ
う。氷河面まで20m位です。

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メルイェレン湖に着きました。氷河面と眼線の高さが同じです。
にここで氷河の側面が50mほど切れています。側圧が開放され横ずれして崩れています。
荒れ狂った様は地獄の1丁目の感じです。

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Hike29

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昔は湖一体が氷で覆われていたのかも知れません。氷河が流れるときに一緒にながれた石が岩をこすった跡が見られます。

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メルイェレン湖は綿すげの名所だと本に書いてありました。一面の花に見とれ和みます。
近くの山小屋で昼食。ローヌ川右岸への道を探します。

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途中、フィッシャー氷河が谷の向こうに現れました。予期せぬ光景にビックリ。

それからキューボデンまで1時間半、ベットマーアルプまでは昨日と同じ道です。

【注】山小屋からトンネルを抜ける近道があるのを知ったのは帰国してからでした。そこを
通るとフィッシャー氷河は見えません。

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